実は現場で読まれていない「学習指導要領」…最強メンバーによる《学校の自律性拡大目指す改訂》の議論を元文科省キャリア官僚が評価する訳

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思い返せば10年前。まさに現行の学習指導要領に関する審議が進められており、当時は「アクティブ・ラーニング」の話題で持ち切りでした。「グループ学習を行えばアクティブ・ラーニングなんじゃないか」「答えが1つではない課題に取り組ませればいいのでは」「大切なのは子どもたちの体験だ」などの議論を経て、多くの学校や教育委員会はいま、以下のような「現在地」にたどり着いていると思います。

「アクティブ・ラーニング」に関する議論の「現在地」
※外部配信先では図表がうまく表示されない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください。

改訂の議論の中核は「深い学び」

今回の改訂の議論の中核である「深い学び」。「思考がアクティブな学び」とはすなわち「深い学び」です。

そもそも、なぜ今回、文科省は学校の「自律性」を高めようとしているのか。それは、多様な児童生徒が存在する中で、「深い学び」を実現するには、現場の創意工夫が必要不可欠であるからです。AIが生成する「模範解答」ではなく、このクラス、そして目の前のこどもに対する「最適解」や「最善解」を生み出す教師の試行錯誤なくしては、「深い学び」は絶対に成しえないのです。

現行の学習指導要領の始まりとともにコロナ禍に見舞われ、必死に試行錯誤を重ねた結果、「子どもたちを『アクティブ・ラーナー』に育てるためには、教師自身が『アクティブ・ラーナー』になる必要がある」ということ、そして、「生成AIに取って代わられないためには、自分の頭で考えることが大切だ」ということに気付いた教育関係者の皆さん。

今こそ、自律性をこの手に取り戻す時です。文科省が示す(シンプルな)「北極星」を道標にしながら、自ら作成した「羅針盤」を手に、教育という大海原に乗り出しましょう。

(なお、本記事の内容は、所属機関の見解ではなく、筆者個人の意見です)

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
寺田 拓真 広島県総務局付課長、福山市教育委員会 学校教育部参与

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てらだ たくま / Takuma Terada

早稲田大学法学部卒業後、2004年に文部科学省に入省し、教育改革の司令塔、教育投資の充実、東京オリンピック招致などを担当。2014年に広島県教育委員会に籍を移し、学びの変革推進課長として、教育改革の企画立案と実行、県立広島叡智学園中・高等学校の創設、ふるさと納税を活用した寄附金制度の創設、高校入試制度改革、高校生の海外留学促進などを担当。ミシガン大学教育大学院修士課程修了(2022年、学習科学・教育テクノロジー専攻)。

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