幼児から「中学受験対策」、低学年入塾組は不振説も…《早期化する実態と効果のほど》老舗・四谷大塚は小1に何をさせている?
栄光ゼミナールが「年長ジュニアコース」をスタートさせると公表すると、「幼児から中学受験の対策なんて過熱しすぎでは?」という反発の意見もあった。実は以前から「中学受験は低学年からやっても意味がない」という意見もあるのだ。
低学年から入塾した生徒が伸び悩む例も
『中学受験は親が9割』の著者、家庭教師・西村則康さんは自身のブログ、『塾ソムリエ』の21年5月24日配信の記事でこう書いている。
「数年前から低学年の募集に本格的に力を入れ始めたグノーブルやサピックスですが、当時一斉入室した生徒たちの最終的な合格実績は芳しくないものでした」
この記事の内容と整合性がある話を大手塾の社員からも聞いている。つまり、低学年から入塾しても合格実績に結びつかないというわけだ。早くから始めても小学4年から塾に入ってくる「中学受験の勉強に向いている子」に追い抜かれてしまうことも多々あるのだ。
そのため、大手塾の中には低学年での募集を絞っていたケースもあった。小学4年から「中学受験に向いている子」を受け入れるために枠を残しておくためだ。実際、開成や聖光に合格した生徒たちも、小学4年で入塾して最初は下位のクラスのスタートだったという話は実に多い。
ある生徒は週1でそろばん教室に通っていた経験しかなく、中学受験塾の入塾テストには苦戦し、一番下のクラスでのスタートだった。母親に「宿題を終えたらゲームをやらせてあげる」と言われ、ゲーム目当てに宿題をやっていたら、1年後には最上位クラスに上がって、塾からは「御三家を狙えますよ」と言われた。
中学受験では論理的な思考力を求められる。「たまたま小学生の段階で論理的な思考力を持っていた」というケースもあろう。開成や桜蔭などの最難関校の合格者には公文式の猛者も多いが、公文式で計算を仕上げていたことは武器の1つにすぎず、それ以前に論理的な思考力を持っていたから受験で成功したのだ。
こういった事情があるため、低学年からの対策は意味がないという意見がいまだにあるのだ。



















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