幼児から「中学受験対策」、低学年入塾組は不振説も…《早期化する実態と効果のほど》老舗・四谷大塚は小1に何をさせている?
一方で、中学受験対策の先取りを低学年からする塾が結果を出し、注目もされている。それを聞くと「低学年から対策をするべきでは」とも思えてくる。
この「低学年から中学受験の対策をすべきか。やるとしたら何をすべきか」問題。多くの保護者が気になっているはずだ。その答えを知るべく、低学年の通信講座「リトルくらぶ」が人気を集めている四谷大塚を取材した。校舎では「リトルくらぶ」と同じ教材で、「リトルスクール」というコースで低学年の指導をしている。
「自分の武器を使う方法」を低学年から鍛えていく
四谷大塚の市ヶ谷校舎で「低学年指導(リトルスクール)」を受け持つ講師の藤原理恵さんはこう話す。
「低学年指導(リトルスクール)に通っている生徒のご家庭のすべてが中学受験をさせる意向ではないです。基礎学力をつけるために通わせているというケースも増えています」
今、公立小学校での学力低下が問題になっている。ほぼ宿題を出さない小学校もある。そういう中で基礎学力や学習習慣をつけるために塾に通わせようという家庭が増えているのだ。これは市ヶ谷界隈に限ったことではない。郊外の塾を取材しても同じような話を聞く。低学年からの塾通いへの反発の声にはこう答える。
「低学年から塾通いをすると息切れしてしまうというご意見もあります。ただ、小学4年生から始めても息切れする生徒はいます。息切れするかしないかは学び方の問題だと思います」(藤原さん)
大手中学受験塾の小学1年や2年クラスでは、基本、中学受験の先取り学習をすることはない。小学1年や2年でそれをさせるのはハードルが高すぎるからだ。
「低学年では“中学受験の先取り”ではなく、今持っている自分の武器を使ってどう戦えるかを鍛えていきます。例えば、算数であれば足し算・引き算ができるようになった段階で、目の前の問題に対し、足し算と引き算を駆使してどう解けるかを考えることを身に付けてもらいます」(藤原さん)
小学1年の国語では「問題文はすべてひらがな」で「この文章の中に登場する動物の名前を描き出しなさい」といった“文章を読む”訓練をさせている。この場合、生徒は「ひらがなを読める」という武器を使って、問題を解こうとしていく。また、「紙で作った立方体をハサミで切って分解し、見て触って理解」する算数授業など、目で見て触って理解をしていくことも重視している。



















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