そうしたデータは比較的追加の手間をかけずに取得できるので悪くはないが、「休暇をたくさん取れているから、あるいは高ストレス者が少ないからといって、働きがいのある職場か?生き生きした職場か?」と言われると、やや難がある。他自治体の例としては次のものがある※。
・「同僚・管理職との良好な人間関係の構築ができている」「個人の裁量(ゆとり)ある時間の確保ができている」「一人一人の児童生徒との信頼関係を深めることができている」「より専門性を発揮するための研修や教材研究等が充実している」の管理職アンケート結果(沖縄県)
・「授業準備の時間が取れていると感じている教員の割合」「児童・生徒の悩みや相談に対応する時間が取れていると感じている教員の割合」などの教員アンケート結果(東京都)
教員の回答負担にも配慮したものだとは思うが、校長(または教頭)のみのアンケート結果だけに頼っても、必ずしも実態を反映しないと思う。自身の評価のマイナス材料にならないように、よいように学校を見せたいという思いが働きやすいからだ。
いずれにしても、一部のデータで測ることにはなるので、限界はある。そうしたデータ以上に重要なのは、教育委員会や校長が教職員等に働き方改革の目的や趣旨をどんなふうに語るかだ(関連記事)。大切なことは、何度もさまざまな角度から共有していくことが必要だ。計画にちょっと書いたからOKではない。
※愛媛大学露口健司教授の参考資料も参照
②テレワーク環境を整備し、勤務時間のモニタリングを
コロナ禍を経て、県庁などではテレワーク環境を整えているところも増えてきた。ところが、文科省調査によると、「教職員が校務用の端末を学校外において使用できるクラウド環境を整えていますか」について「整えていない」自治体は77.3%、「クラウド環境を学校外で使用した際の適切な勤怠管理・勤務時間管理の仕組みを整えていますか」について「整えていない」自治体は90.3%に上る。この環境を変えないと、残業の「見えない化」は解消しない。



















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