改正給特法施行の来年4月に間に合わせるため、各教育委員会には計画を今年度中に策定してほしい、と文科省は呼びかけている。すでに策定していた自治体であっても見直しに迫られているはずだ。だが、心配なのは、計画策定が目的化して、効果を伴わない事態になることだ。これまでも以下のような残念ケースを私はたくさん見てきた。
② 計画ができても、学校が忙しくて疲弊していて、変える気力もないケース。
③ 教育委員会から学校へ、または校長等から教職員へ、時短圧が高まることで、持ち帰り仕事が増えるなど、残業の「見えない化」が進むケース。
こうした事態では、いったい何のための計画か、誰のための働き方改革なのか、わからなくなる。
では、どうしていけばよいだろうか。文科省も指針と関連文書の中で詳細な留意点を記載しているし、参考ひな型まで示すなど、かなり親切にしている。これらを参照することは大事だが、「情報が多くて、いったい何に力点を置いたらよいかわからない。とりあえず都道府県や近隣市区町村がつくるのを待って考えよう」という市区町村教委も少なくないのではないか。だが、都道府県等の計画がいいものになるかどうかはわからないし、どこかのをコピペしただけで、十分な内容と推進力となるだろうか?
各自治体・学校の実情に応じて変えていくところもあるが、特に重要なポイントを4点に絞ってお伝えしたい。
①「何のための働き方改革なのか」文章にして共有する
まず、計画の趣旨と目標設定のところが重要だ。指針でも勤務時間(在校等時間)の縮減に向けた目標設定とともに、「教育職員の心身の健康確保や教職の魅力向上のため、教育職員のワーク・ライフ・バランスや働きがい等に関する目標を、可能な限り、地方公共団体の実情に応じて設定すること」と記載されている。
これは、時短ばかりが目的化しないためにも重要なことだ。だが、教育委員会からすれば、いったいどんな指標でモニタリングしたらよいのか、迷うところもあろう。文科省のひな形では、有給休暇取得日数やストレスチェック結果などを例示している。



















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