新モデル「SC40」を発表!「たった1台だけ」のフェラーリを作る「スペシャル・プロジェクト」プログラムの超世界

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フェラーリが、ひとりの顧客のために作りあげるスペシャル・プロジェクト。時間をさかのぼっていくと、実はたくさんのモデルがある。

・KC23(2023年/488GT3エボがベース)
・SP48ウニカ(2022年/F8トリブートのV8搭載)
・BR20(2021年/GTC4ルッソがベースの2人乗り)
・P80/C(2019年/488GT3ベースのプロトタイプ)

そもそもフェラーリは、ごく少数のスポーツカーを限られた顧客のために生産してきたメーカー。「量産モデル」とされるF40ですら、10年間に約1300台が作られたのみなのだ。

ワンオフモデルのひとつ「KC23」(写真:Ferrari)

1967年の「ディーノ206GT」が、フェラーリが量産ラインを組んだ最初のクルマと言われているように、1947年の創業以来、基本的には手づくりと呼べるような形でクルマを送り出してきた。

中でもよく知られているのは、1954年の「375MMイングリッド・バーグマン」。映画監督のロベルト・ロッセリーニが妻のために注文したワンオフで、ピニンファリーナがボディを製作した。

当時のアメリカ製SF映画に出てきそうなスタイルの「バーグマン・クーペ」(と呼ばれる)は、スタイリング的にはミッレミリアで活躍したオリジナルの「375MM」の軽快さを殺してしまっている気もするが、それを判断するのは依頼主だ。

オーダーから2年の歳月をかけて

現在のスペシャル・プロジェクトは、顧客の注文を受けるとチェントロ・スティーレ(スタイリングセンター)の専門デザイナーが担当する。

クライアントの希望を聞きながら念入りにデザインを進め、スケールモデルなどを作りながら約2年かけて実現していくそうだ。

「SC40」のデザインスケッチ(写真:Ferrari)

その間、クライアントはフェラーリのチームと綿密な打ち合わせを進めていく。

フェラーリにとって、おそらく最も高価な商品となるスペシャル・プロジェクトは、看板でもある。

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