新モデル「SC40」を発表!「たった1台だけ」のフェラーリを作る「スペシャル・プロジェクト」プログラムの超世界

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「(F40に採用されていた)クラシックなNACAダクトを再解釈したもの」とフェラーリでは説明する。

リアウイング側面には、F40ならぬSC40の文字が浮き彫りされている。「往年の名車(F40のこと)への明確な敬意を示すもの」とはフェラーリの弁だ。

「F40」と同様、リアウイングに車名の刻印が入る(写真:Ferrari)

デザインはF40からの引用といっても、ベースは2022年発表の「296GTB」だけあって、最新の技術による高性能が目指されている。

2.9リッター6気筒エンジンの出力や足まわりなどへの言及はないので、おそらく296GTBと同等の610kWの最高出力と、740Nmの最大トルクで後輪を駆動すると思われる。

つまり、デザインではF40をイメージさせながら、所期の性能をそこなっていない。

F40はV8エンジンをミドシップした後輪駆動。エンジン排気量は3.0リッターに抑えられ、ツインターボ化によって当時としては超ド級の478馬力(352kW)というパワーを誇っていた。

走りの性能と直結する軽量化も、F40における重要な課題だった。フェラーリでは、軽量で高剛性のカーボンファイバーと、カーボンケブラーを大々的に採用。これも話題を呼んだ。

「SC40」のエンジンフードを開けるとカーボンケブラー製のエンジンベイが広がる(写真:Ferrari)

 

カーボンケブラーは、カーボンファイバーにアラミド繊維を織り込んだ複合素材で、超高性能車やレーシングカーの内装に使用されることもある。

フェラーリのプレス資料を見ると、SC40のためにカーボンケブラーを「再開発」したと書かれている。

実際、SC40を見ると、ステアリングホイール、ダッシュボードの一部、エンジンベイ、ラゲッジコンパートメントなどがカーボンケブラー製だ。

ワンオフのフェラーリはほかにも

「スペシャル・プロジェクト」に分類されるSC40は、オーダーベースで開発されるモデルだが、そうしたモデルを自動車の世界では「ワンオフ」(1台のみ)とも呼んできた。

次ページ「イングリッド・バーグマン」の名を冠したモデルも
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事