レノボ、ケーブル1本で126型相当画面を実現した「Legion Glasses Gen2」 充電も設定も不要で新幹線でも使える秘密は"割り切り"にあり
体験会では差別化が鮮明に語られた。「XREALは周辺機器でやればいいことまで、グラスに盛り込んでいる」。レノボは逆に、「ディスプレイ機能だけに絞った実用機」という立ち位置を選んだ。視線追跡もハンドトラッキングも搭載しないが、その分だけ軽量で確実に動作する。
一方、制約も見える。付属の視力矯正用レンズフレームは軽度の近視・遠視には対応するが、強度の近視や乱視を持つユーザーには不十分かもしれない。また30cm先に32型モニターを置いた感覚という視聴距離は、人によっては目の疲労を誘発する。
充電不要の利点は、裏を返せば「接続機器への依存」でもある。ノートPCやタブレットのバッテリー消費が増えるため、長時間の移動では電源確保が課題となる。
ディスプレイ特化の潔さが示す、市場の分岐点
Legion Glasses Gen2は、ARグラス市場に「実用性特化」という選択肢を提示した。XREAL Oneが3DoFで未来的な体験を約7万円で提供するのに対し、レノボは「余計な機能を削ぎ落とした仕事道具」で応えた。
レノボが「ARグラス」という呼称を避け、「ウェアラブルディスプレイ」と位置づけた意味は大きい。視線追跡も空間コンピューティングも追わない。ただ、確実に映る画面を、どこでも展開できる。
充電を忘れる心配も、設定を間違える不安もない。ケーブル1本で、新幹線でもコワーキングスペースでも、大画面の作業環境が手に入る。PC・タブレット・スマホ・ゲーム機まで手がけるレノボだからこそ実現できた、エコシステム全体での使い回し。「持ち運べる個室」というコンセプトが、ビジネスパーソンの働き方をどう変えるか。レノボの割り切った設計が、その答えを示すことになりそうだ。
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