1期生"延べ105人が海外大学に合格"、海外経験のない中学生がどう成長?新設の公立中高一貫「バカロレア認定校」広島叡智学園の"教育の中身"
1次選抜の通過者を対象に行われる2泊3日の共同生活による2次選抜では、コミュニケーション力や他者と協働して課題を解決しようとする力などをみるグループワークや個人面接が実施される。
単なる暗記力ではなく、「自分の頭で考える力」「他者と協働する力」「自分の言葉で表現する力」が重視されるのだ。全国から志願が可能で入試倍率は約6倍。受験生の5〜6割が広島県在住である。
入学後は、英語の授業ではもちろん、英語で行う教科の授業でも、教科内容と同時に英語運用能力を身に付けることを第一に考えた学習が行われる。生徒たちに、「英語が好き」「英語を使って勉強したい」「英語でも自分の意見を伝えたり、相手の意見を理解したりして協働したい」という気持ちを温めてもらいたいと考えているようだ。
高校からは、留学生および日本国籍(ただし海外の学校での修学期間が5年以上)の生徒を募集。書類審査の1次選抜を経て、オンライン面接・口頭試問の2次試験が実施される。
グローバルな課題への認識を高めるカリキュラム
入学後、中1から高1の冬までは、国際バカロレア(IB)の中等教育プログラム(MYP)を履修。8教科(言語と文学、言語の習得、個人と社会、理科、数学、芸術、保健体育、デザイン)を学習する。
各教科は従来の教科を越えた「相互作用のエリア」である5分野(学習の方法、コミュニティーと奉仕活動、人間の創造性、多様な環境、保健教育と社会性の教育)と関連しており、人間の共通性に焦点が当てられる。
「例えば、数学で学んだことが、ほかの教科、あるいは実社会でどのように生かされるのかといった思考のトレーニングを行っていくのがMYPです」と古市吉洋主幹教諭は説明する。
MYPでは、知識を統合された総体的なものとして示し、生徒がより広く、より複雑なグローバルな課題に対する認識を高めることが期待されている。


















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