1期生"延べ105人が海外大学に合格"、海外経験のない中学生がどう成長?新設の公立中高一貫「バカロレア認定校」広島叡智学園の"教育の中身"

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広島叡智学園の寮
生徒たちが生活する寮(写真:広島叡智学園提供)

「オープンスクールに参加した保護者の方たちから、子どもたちが想像以上に自立心を養っているので驚いたという声が寄せられています」と吉村氏。寮には島民がサポートスタッフとして加わり、食事や生活の世話をしてくれる。また、大崎上島の地域コミュニティーにも参加でき、地元の人たちも「島親」のように生徒たちを温かく迎え入れてくれる。

自然豊かな島だからできる人生教育

自然環境に恵まれた大崎上島も、教育の舞台として大きな役割を果たしている。島内には柑橘類の果樹園、森林、ビーチ、丘陵地帯が広がり、持続可能性への理解を育む理想的な環境が整っている。

広島叡智学園 授業の様子
恵まれた自然環境を生かして授業が行われることも。左は着衣泳、右は田植え体験(写真:広島叡智学園提供)

地元の漁業、海運、再生可能エネルギー産業は地域環境と一体化しており、さらなる学習の機会となる。広島県に立地していることで、生徒たちは「平和とは何か?」という問いを自ら探究するために、独自のプロジェクトに取り組むことも奨励されている。

島内にはスーパーもコンビニも医療機関もあるので、日常生活の不便はない。広島県の誘致活動もあり、大崎上島で起業する若者たちが増えてきた。また、さまざまな企業が、この島に研修所を建設している。島には、活気が満ちている。

「ようやく1期生が巣立ち、これから本校の歴史が刻まれていきます。1期生も、卒業して終わりではなく、これから、海外や国内の大学、あるいは将来社会に出てからも活躍し、先輩として本校との関わりを保ってほしいと願っています。先輩の歩み方が、後輩たちにとっては何よりの道しるべになりますから」(吉村氏)

世界を舞台にしたり、あるいは島にIターンしたり、広島叡智学園の生徒・卒業生には、多彩な未来が用意されている。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
加藤 光彦 ライター

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かとう みつひこ / Mitsuhiko Kato

慶應義塾大学卒業後、女性誌を経て、東洋経済新報社に入社。編集局でゲームや電力業界を担当、その後ビジネスプロモーション局へ異動。現在は会社四季報執筆等に従事。

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