1期生"延べ105人が海外大学に合格"、海外経験のない中学生がどう成長?新設の公立中高一貫「バカロレア認定校」広島叡智学園の"教育の中身"

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中学は1学年40人、高校は1学年60人(いずれも定員)で、全寮制の生活を送る。学費は、授業料は中学校無償、高校月額9900円(中高ともに別途教材費等が月額約1万円)と私立に比べると非常に安価で、寮費は月額4万3000円(食費含む)となっている。

神峰山からの景色
瀬戸内海のほぼ中央に位置する大崎上島にある広島叡智学園。写真は神峰山からの景色(写真:広島叡智学園提供)

「世界中のどこにおいても地域や世界の『よりよい未来』を創造できるリーダーを育成することが、学校のビジョンです。1期生は試行錯誤でしたが、海外大学105名、国内大学にも76名が合格(いずれも延べ人数)と、生徒も教員もよく成果を出してくれたと思っています」と校長の吉村薫氏は話す。

吉村薫 広島叡智学園中学校・高等学校 校長
吉村薫(よしむら かおる)広島叡智学園中学校・高等学校 校長(写真:広島叡智学園提供)

国際バカロレア認定校の卒業生には、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)が与えられ、海外大学進学へのルートが確保されるが、国内にもIBを使って受験できる大学がいくつかある。1期生は海外、国内と両方の大学に出願する子が多かったが、その後は海外大学に進学した子のほうが多いという。

中学入試で「英語力」は問われない

こうして卒業時の進学実績がいいと、必ず言われるのが、入学時に優秀な生徒を取っているのではないかということ。となると、入学する生徒たちも、さぞやグローバルと思いきや、実は1期生45人のうち、35人には海外生活経験がなかったという。

「中学入試の1次選抜で行われる適性検査(資料を読み取って条件に従って筋道を立てて考える力や、図表や文章から情報を抽出し、論理的に推論する力をみる)、合宿型の2次選抜でも、英語力は問いません。小学校の外国語活動で英語に触れ、本校での英語の学びを楽しみに、頑張ろうという気持ちを持って入学してもらえればと思います」(吉村氏)

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