子どもの運動、科学的に「実はNGなこと」とは? 成長期の発達を妨げる「3つのタブー」 《体育で定番の"持久走"も要注意…》

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授業や練習の冒頭に、「動きづくり」の5分間を設けると効果的だ。

例えば、ミニハードルを使ったステップ練習、方向転換を含むフットワーク、体幹を意識した静的バランス運動などを行うと、動作の精度が高まる。映像を用いて自分のフォームを確認させることも、意識の変化に役立つ。

成長を支える運動環境とは

科学的に見ると、成長期に最も大切なのは「量」や「根性」ではない。神経・筋・骨の発達段階に応じて、適切な刺激と休息のバランスをとることが、健全な成長の条件である。

そのためには、
・単調な運動を避けること
・強度と休養のリズムを設けること
・正しい動作を早期に定着させること

この3つの原則を守ることが重要である。

子どものスポーツは「上達のための練習」ではなく、「発達を支える経験」として捉える必要がある。科学的な視点を導入し、発達に適した運動環境を整えることが、将来の競技力と生涯の健康を守る最も確かな方法だ。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
桜井 智野風 桐蔭横浜大学大学院 スポーツ科学研究科 教授

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さくらい とものぶ / Tomonobu Sakurai

横浜国立大学大学院教育学研究科修了。博士(運動生理学)。専門はスポーツ生理学、発育発達、トレーニング科学。骨格筋の代謝や損傷修復、酸素・水素吸入による回復促進などの研究を行う。子どもの運動能力や身体発達の評価にも取り組み、成長段階に応じた科学的な運動指導のあり方を探究している。日本陸上競技連盟指導者養成委員会副委員長を務め、トップアスリートのサポートにも携わる。

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