前加賀市教育長・島谷千春氏が「教育改革は、組織マネジメントに行き着く」と語る深い理由――<子どもに委ねる学び>に必要な教員研修とは?
次期学習指導要領の論点整理においても基本的な方向性の1つとして「『主体的・対話的で深い学び』の実装」が示されたが、教員に求められる役割や授業スタイルが変わりつつある中で、教員研修や人材育成はどうあるべきか。
2025年3月まで加賀市教育長として教育改革を牽引し、現在は教員支援機構(NITS)審議役として教員研修に携わる島谷千春氏に話を聞いた。
「揃える」という発想を早々に捨てた
島谷千春氏が、石川県加賀市の公立小・中学校の抜本的な教育改革を託され、教育長に就任したのは2022年のこと。「BE THE PLAYER〜自分で考え 動く 生み出す そして社会を変える」という教育ビジョンを掲げ、「子どもに委ねる学び」を推進してきた。
さまざまな取り組みの中でも、大きく変えたのが「教員研修」だ。「子どもの学びと教師の学びは相似形」という考えの下、改革を進めていった。その意図について島谷氏は、こう語る。
「例えば不登校や特別支援教育など子どもの多様性に関しては、『子どもが主役』となり、子どもが学びをコントロールできる余地があることで解決できることもたくさんあると思うのです。
しかし、子どもに委ねる学びは、ほとんどの先生が経験したことがない学びである中、それを求めることは無理難題。子どもの学びが『主体的』『対話的』『個別最適』『協働的』であるためには、先生も同じことを経験する必要があると考えました」


















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