「マイクロブタと川の字で眠る幸せ…」ストレスの多かった共働き夫婦がたどり着いた穏やかな日常

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おもちくんは現在5歳。歳を重ねるごとに穏やかな性格になっていくという。体は大きくなったが家や家具を破壊することも、大声で鳴くこともない。ただいつの間にかそばにいる、物静かな力士のようだった。

インタビュー中にも、しおりさんの傍らに寄り添っていたかと思えば、ゆっくりと起き上がって移動して、別の場所に寝そべる。プリっとしたおしりに長いしっぽをゆったりと左右に振りながら歩く後姿に、何とも言えない愛おしさを感じた。

「川」の字で眠る幸せ

朝は3人で起き、朝食をとって3人で店に向かう。来店するお客さんのなかには、おもちくん目当ての人も多い。夫婦が仕事をしているあいだ、おもちくんは専用スペースで眠り、会いに来たお客さんに挨拶をする。

閉店後はまた3人で帰宅してご飯を食べ、お風呂に入って眠る。おもちくんも毎日お風呂に入れているという。体毛が薄いため乾かしてやる必要もない。入浴後は乾燥しやすい肌にボディローションを塗って、一緒のベッドで眠るのが日課だ。

おもちくんが長時間一人で留守番することもなくなった。どうしても留守番させなければならないときでも、「必ず帰ってくる」と、落ち着いて待てるようになったという。

「寝るときに私の腕の中に入ってきて、私をじっと見つめて眠るんです。その瞬間が、とても幸せだなあって」

成長するにつれてベッドは狭くなったが、毎日3人で「川」の字になって眠る。小さな力士のような体をぎゅっと抱きしめると、硬い体毛がちょっとだけチクチク腕を刺激する。しばらくすると腕の中から「ぶぅー、ぶぅー」といつものいびきが響いてくる。

おもちくんと3人、家族としての当たり前の時間が、たまらなく愛おしい。

ベッドで眠る幸せそうなおもちくん
ベッドで眠る幸せそうなおもちくん(写真提供:しおりさん)
【マイクロブタと暮らすには】
・ペット可物件であり、マイクロブタ飼育の許可を得ていること
・都道府県の家畜保健衛生所へ飼育の届け出を行い、豚熱ワクチンを接種すること
・大型犬用のケージ、ベッド、ハーネス、食器などを用意する
・散歩に連れていく際は大型犬用のハーネス・リードを準備
・マイクロブタを診察できる動物病院を調べておく
・しっかりと時間をかけてしつけをし、信頼関係を築くこと
・食べ物は適切な量を与えること(太らせすぎ、やせすぎに注意)
・できれば8時間以内のお留守番環境であること
・たとえ思っていた以上に大きくなってもその子を愛せること
宮﨑 まきこ フリーライター

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みやざき まきこ / Makiko Miyazaki

立命館大学法学部卒業後、13年間法律事務所にてパラリーガルとして勤務。自己破産、離婚、失業、犯罪など、人生の困難な局面に置かれた人々と接してきた経験を生かし、フリーライターとして独立。
人物インタビューを中心に取材・執筆している。
静岡県浜松市在住。愛犬家。夫と愛犬・鰤(ぶり)と暮らしている。

X:@makiko_miyazaki

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