「家賃は3倍」「違法民泊の運営も?」都内マンションで起こった中国人オーナーの《過剰要求》→平穏な暮らしが崩れた住民たちの"顛末"
男性は「詐欺なのか」と不審に思った。すぐにマンションの管理会社に電話をすると、「私どもも、値上げの話は聞かされておりません。ただ、これまでのマンションの所有者が別の企業に売却したことは事実で、後ほど皆様には連絡が行くと思います」との話だった。
後日、男性の自宅にまた、1通の封書が投函されていた。封を開けて読むと、数日前に値上げを通知してきた企業からだった。内容は、マンションの所有者が「当社に代わった」との通知だった。さすがに不安に思った男性は自ら、登記情報を取り寄せ調べると、その会社は通販事業などを手掛けており、代表者は中国人だった。
マンションはもともと地元の信用金庫のグループ会社が建て、約45年間にわたって所有を続けてきた。管理は丁寧で、管理担当者の交代があれば、いつもしっかり住民にあいさつし、何か不具合があれば、すぐに対応する好物件であったという。だからこそ、男性は気に入り20年近くも住み続けてきた。
マンションが中国人用の民泊に
ところが、同マンションは2024年11月、信金のグループ会社から、日本の大手不動産会社に売り渡された。それもつかの間、年が明けると、今度は中国人が代表の中国系企業に売却。大幅な家賃の値上げも迫られ、男性は慌てに慌てた。
ただ、男性はその「騒動」が起きる以前の2024年10月には既に、2027年1月までの賃貸契約の更新を済ませていた。念のため弁護士に相談すると「これまでの家賃を払っていれば、追い出されることはない」とのアドバイスを受け、ほっと胸をなで下ろす。だが、悲劇が始まるのはここからだった。
男性が2通の通知を受け取って間もなく、マンション内でやたらに中国人の男女をみかけるようになったのだ。男性は毎回、別の中国人をみかけるようになるうち、ようやく気付いた。「このマンションは中国人用の民泊に使われている」――。
さらに男性は、自分が住む5階の空き部屋の前を通りかかると、玄関のドアノブに、黒色のキーボックスがかけられていることにも気付く。これは暗証番号を押せば、その部屋の鍵が取り出せる仕組みで、民泊によく使われているもの。男性は、これまで20年近くの平穏な暮らしが、みるみるうちに変わっていく状況に完全に参ってしまった。
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