高市新総裁に「ハネムーン」を楽しむ猶予はない、7月の参議院選挙で敗北して以降続いていた政治空白をいかに早く埋められるかが課題に

高市早苗前経済安全保障相が新たな自民党総裁に選出され、今月中旬にも新政権が発足する。初の女性首相という追い風も手伝い、自民党政権への支持回復が見込まれるが、政権発足当初100日間の「ハネムーン(蜜月)」期間を楽しむ余裕はなさそうだ。7月の参議院選挙で敗北して以降続いた政治空白を、連立拡大を模索しながらいかに早く埋め、物価高対策を含む予算編成にどうこぎ着けるか、年末にかけ難路を迎える。
近く経済対策策定へ
「新たな首相にハネムーン期間はない」――。複数の政府関係者はこう口をそろえる。
新総裁に選出された高市前経済安保相は、立候補した5人の中で、小泉進次郎農林水産相とともに有力視された候補者だった。物価高に対処する経済対策の速やかな策定に向け、「まずは目の前にある課題への取り組み方が、その後の政権運営を占う試金石」と、政府関係者の1人は言う。
複数の政府、与党関係者によると、石破茂首相の後任を決める臨時国会は15日にも召集される。衆参両院で少数与党の状況だが、野党の一本化協議は不調で、高市氏が首相に選出される公算が大きい。
首相に指名されれば速やかに新内閣を発足し、20日前後に所信表明演説を行う段取りを描く。物価高に負けない賃上げ定着に向け、効果的な経済対策の柱だてを訴えられるかが焦点となる。