なお、シャオミは今回のリコールに関して、(深刻な欠陥の修正ではなく)ソフトウェアの加減速制御の最適化や先行車追従(アダプティブ・クルーズ・コントロール、ACC)機能の追加など、ADASの信頼性をさらに高めることが目的だと強調している。

だが、それを消費者が言葉通りに受け止めるかどうかは不透明だ。SU7の標準版が搭載するADASは(上位グレードより機能が絞られているため)高速道路にしか対応しておらず、より複雑な運転操作が求められる市街地の一般道路では利用できない。
半年前の3月29日、安徽省の高速道路を走行していた標準版のSU7が時速100キロメートル近いスピードで中央分離帯に激突し、乗車していた3人の大学生が死亡する痛ましい事故が発生した。このSU7は、衝突直前までADAS(による自動運転機能)を作動させていたことがわかっている。
「欠陥隠し」予防へ規制強化
ADAS(の不具合やドライバーのシステム過信)との関連が疑われる交通事故は、中国国内や海外でたびたび発生している。そんななか、異業種からEVに参入したシャオミは消費者の注目度が高く、上述の事故は(自動運転などの)新技術が内包するリスクの典型例と見なされる傾向がある。

消費者の不安や疑念の高まりを受け、中国政府はそれまでメーカー任せにしてきた自動運転技術の開発や宣伝に、厳しい規制を導入しつつある。
例えば、工業情報化省と国家市場監督管理総局が2025年2月に連名で出した通達では、OTA方式による車載ソフトウェアの更新を当局が規範化し、自動車メーカーが「欠陥隠し」のためにOTA方式を悪用することがないよう目を光らせる方針を打ち出した。
(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は9月19日
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