「主人公のキャラがつかめない」「"大胆な再構成"って大丈夫?」朝ドラ『ばけばけ』に視聴者が抱いた"不安"が杞憂であるワケ

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小泉セツ 1868-1932
松江藩家臣の小泉家の次女として生まれ、直後に稲垣家の養女になる。没落した家を支えるため11歳から織子として働く。1886年に結婚するも、1年で夫は出奔。その後、松江に英語教師として赴任してきたラフカディオ・ハーンのもとで住み込みで働くようになり、当時珍しかった国際結婚をする。再話文学の語り手として、ハーンの著作に大きく寄与した。
ラフカディオ・ハーン(小泉八雲) 1850-1904
ギリシャ生まれのアイルランド人(英国籍)。アメリカでジャーナリストとなった後、1890年に来日。松江に英語教師として赴任する。その後、熊本五高、東京帝国大学、早稲田大学でも教鞭をとる。1896年、小泉セツと結婚、日本に帰化し、小泉八雲を名乗る。『知られぬ日本の面影』『怪談』など、日本の古来の文化を記した著作は高く評価されている。

第4回の最後に「二人が出会うまで5612日」(約15年あまり)というカウントダウン表示がありました。

今後の物語で描かれるのは、2人の出会いと結婚。さらに、セツが語る民話や伝承をハーンが文学作品に昇華させた「怪談」が生み出されていく過程であることは明らかです。

ばけばけ
今後、「怪談」がどのように登場してくるのかも見ものです(画像:NHK『ばけばけ』公式サイトより)

さらにこのプロフィールには、「※実在の人物である小泉セツをモデルとしますが、大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描きます。原作はありません」と書き添えられていました。

“大胆に再構成”とは、どの部分をどの程度なのか。ネットですぐに史実を調べられる今、その大胆な再構成が賛否を集めることは避けられず、どれだけ賛成の声を増やせるのか。脚本・演出の出来が問われていくのでしょう。

「あんぱん」の再構成は賛否があったが…

まさにその“大胆に再構成”という点で賛否の声があがったのが、前作「あんぱん」。

主人公・のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)が「幼少期に出会い、幼なじみとして育った」「『アンパンマン』誕生にのぶが奔走し、さまざまな点で貢献した」などの再構成に「無理がある」などのネガティブな声が散見されました。

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