「主人公のキャラがつかめない」「"大胆な再構成"って大丈夫?」朝ドラ『ばけばけ』に視聴者が抱いた"不安"が杞憂であるワケ

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さらに作品のキャッチコピーは、「この世はうらめしい。けど、すばらしい」。制作サイドは最初にこのコピーを決めたうえで物語を組み立てていったことを明かしています。

「何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語」「けど、すばらしい」というフレーズから、等身大の物語で安心して見られる、ほっこりさせられる作品であることは間違いないでしょう。

ばけばけ
髙石あかりが演じる主人公・松野トキと、トミー・バストウ扮するレフカダ・ヘブン(画像:NHK『ばけばけ』公式サイトより)

ちなみにタイトルの「ばけばけ」は、「化ける」という意味。人々の暮らしや価値観が急速に「化けて」いく明治を舞台に、そこで取り残されたトキやヘブンらの日々が、いつしかすばらしいものに「化けて」いく物語が描かれるようです。

また、怪談が扱われるシーンや「うらめしい」というフレーズが多用されることから、「怖い話?」という声も見られますが、ふんだんにユーモアが盛り込まれるなど心配は無用でしょう。

その象徴的な存在が語り部を務めるヘビとカエル。

小泉八雲の家にヘビとカエルがいたことからこの設定が採用されたようですが、「トキとヘブンの日々をこっそり見守っている」「見かけによらず実はトキの怪談を怖がっている」「それを阿佐ヶ谷姉妹が演じる」などのユーモアで、朝からクスッと笑わせてくれるシーンが期待できそうです。

初週から「無情で理不尽なシーン」の連続

第1回は、トキがヘブンに怪談「耳なし芳一」を語るシーンからスタート。続いて「ヘブンがトキのおでこにキスする」という円満ぶりを見せる形で物語がはじまっていきました。

しかし、当然ながら、ほっこりさせたり、クスッと笑わせたりするだけの物語ではありません。

舞台はトキの幼少時代へ移り、「それは明治のはじめ、武士の世が終わったばかりの、それはそれはうらめしい時代のことでございます」というモノローグとともに映されたのは、わら人形に釘を打ち付けるトキの父・松野司之介(岡部たかし)の姿。

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