「主人公のキャラがつかめない」「"大胆な再構成"って大丈夫?」朝ドラ『ばけばけ』に視聴者が抱いた"不安"が杞憂であるワケ
続いて、幕末から明治に時代が一変したことに困惑し、困窮する武士一族の厳しい暮らしが描かれました。
さらに第1週では司之介がウサギ販売の商いをはじめたものの、ほどなく相場の暴落で「一生働いても返せない」ほどの借金生活に突入。
10月2日放送の第4話では、食料を買うお金がなくなったことで「かわいがっていた“ウサ衛門”などのウサギを食べ、それを知ったトキが涙を流す」という無情なシーン、3日放送の第5回では、返済のために機織り工場で働くトキが借金取りから「遊郭に行くか」と迫られる理不尽なシーンがありました。

一方、のちにトキと結婚することが明かされているレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)も、アメリカ・シンシナティで新聞記者の仕事を失い餓死寸前。
「金、パン、家族。私には何一つ縁のない人生だった。私の人生にはこの遺書を読む友人の1人すらいない」という絶望の言葉をこぼし、自らに銃口を突きつけながら弾がなく死ねないという哀しいシーンがありました。
「ばけばけ」は、そんな厳しい時代ならではの無情や理不尽も「うらめしいこと」として繰り返し描いていくのでしょう。
ただ、それでも制作サイドが描きたいのは、うらめしいことに負けず前向きな日々を送ろうとするトキとヘブンの姿。脚本を担う、ふじきみつ彦さんが「何も起きない物語」「普通の人だからこそ愛おしい」などと語っていたように、何気ない日常の喜怒哀楽をいつくしむような作品になりそうです。
「出会うまで15年」のカウントダウン
「ばけばけ」の主人公はどんなキャラクターで、どんな物語になるのか。もう少し具体的に掘り下げていきましょう。
前述のリリース第1弾には、小泉セツとラフカディオ・ハーンの具体的なプロフィールが添えられていました。
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