BMWが「史上最大のプロジェクト」という新型車「iX3」はデザインだけでなく生産設備まで革新的!

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車両は、従来の20倍の処理能力をもつ4基のコンピューターが制御する。

パワートレインの効率は上がり、一充電あたりの走行距離が800kmを超えるモデルもある。充電効率もよい。

800V直流の急速充電ステーションを利用すれば、350km以上走行できるエネルギーを10分で充電することが可能とされる。日本の充電インフラではまず無理だが。

バッテリーパックを車体構造材の一部として使うシャシー(写真:BMW AG)

ツィプセ会長は、「ノイエ・クラッセは、未来を見据えた当社史上、最も大規模なプロジェクト」とする。

「画期的なイノベーションは、何もないところから急に出現するわけではありません。眼力をもった優秀な頭脳が、すぐれた技術を選びだし、それらを統合して、すばらしい集合体へと作り上げていくのです」

素材、部品設計、構成、先進的技術、そして生産にいたるまで、今回BMWは徹底的に新しさを追求している。

シート素材には人工皮革のヴェガンザ(ビーガンレザー)を設定(写真:BMW AG)

「クルマづくりを考え直す、いまだかつてなかった機会です」

ツィプセ会長は、「これがノイエ・クラッセ(=新しいクラス)と呼ぶゆえん」と説明する。

1960年代の名を用いて

ノイエ・クラッセとは、そもそもBMWにとって重要な意味をもった言葉だ。

ノイエ・クラッセには、“初代”と呼ぶべきクルマがある。1962年に発表されたBMW「1500」に端を発するセダンのシリーズだ。

エンジンメーカーとして、戦前は航空機のエンジンを手がけてきたBMW。その技術とブランドイメージを最大限に生かすべく、高性能な直列4気筒と6気筒のエンジンを開発した。

それを搭載したのが、“初代”ノイエ・クラッセである。

グリルに「iX3」との共通性を見いだせる“初代”ノイエ・クラッセ(写真:BMW AG)

このクルマは高剛性シャシー、ロードホールディングにすぐれるサスペンションシステム、エレガントでスポーティなスタイリング、余裕ある居住性など、あらゆる点で抜きん出ていた。

また投入された市場は、それまでになかったもので、プレミアムブランドとしてメルセデス・ベンツの製品の下に位置するセグメントを新たに創出した。

それゆえノイエ・クラッセ(=新しいクラス)なのだ。

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