無声映画でフランス初のオスカー--映画『アーティスト』監督 ミシェル・アザナヴィシウス
撮影方法が、フランスと米国で違うので、米国の撮影方法に順応する必要があった。その努力はしたし、うまくいったと思っている。ハリウッドで撮ることとは無関係に、映画撮影には苦労が付きもの。今回、35日という短い撮影期間で撮り終えなければならない大変さもあったが、映画撮影というのは簡単ではない。
──監督は、テレビの仕事も多く手掛けていますね。
テレビでは、短い番組を作っていて、フィクションドラマはあまり手掛けていなかった。私の仕事は、木曜日に撮り終えて土曜には放映するといった、即時性が求められていた。
テレビでフィクションのドラマを作ろうとすると、映画よりもスピーディに撮影しないといけない。米国のテレビドラマは非常にクリエーティブで、良質なシリーズ作品を作り出している。フランスのテレビドラマは努力はしているが、かなり後れを取っていると思っている。
──次回作の構想は?
モンゴメリー・クリフトが主演した米国映画『ザ・サーチ』(邦題『山河遙かなり』)を脚色した作品を手掛けたいと思っている。どちらかといえばメロドラマが前面に出るストーリーになるが、二重構造で政治的な背景も加えている。現代を舞台にし、『アーティスト』よりもう少し話をシンプルにするつもりだ。