セブン&アイが本腰入れる「ネットとリアル店舗の融合」《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》

原田氏がサブリーダーを務めるメディア戦略会議では、ネットとリアルを融合した新しいショッピングをつくるため、各事業会社の販促責任者が名を連ねる。リーダーは、セブンネットショッピングの代表取締役社長、鈴木康弘氏。こうした会議は、各グループの役付役員クラス、実務メンバーと、グループを横断して各層別に設置されている。

「新しいことに挑戦しろ、既存の前年比発想は断ち切って考えろと鈴木会長からつねに言われている。ネットを活用するという意識は、かなり下の層まで共通認識として持っている」と原田氏。

電子書籍とリアル店舗の融合も始める予定だ。

「セブン−イレブンの店頭に行き、雑誌を買おうと思ったときに、バックナンバーがほしいと思う。その場でセブンスポットを使って、セブンネットショッピングからバックナンバーがダウンロードできる」(原田氏)。店頭の補完の仕組みにセブンスポットは有効に活用できるという。

現在は、ネットとリアルが融合した新しいショッピングという頂上に向けてまだ2~3合目という認識だ。原田氏は次のように話す。「今はしっかりと地盤固めをしていく段階。セブンスポットに関して言えば、今後エリア拡大が進み会員が増えれば、コンテンツの利用ごとに課金するビジネスも考えられる。まずは、セブンスポットの全国展開に全エネルギーを注ぐ」。

将来的には、ネットとリアルの融合が進み、会員情報もすべて統合していくことで、顧客の来店履歴、購買履歴、ネット利用履歴といったデータをためることができるようになる。これは非常に重要なマーケティングデータになるだろうと原田氏は話す。
 
 「最終的には、顧客導線をどこまで把握できるかがポイントとなる。セブン−イレブンで買い物をするAさんは、どんなときに百貨店やスーパーに行き、ファミレスで食事をするのか。販促、商品開発、リアルの店舗開発にも生かせる。今後の大きな課題」。

巨大であることを強みにし、なおかつ図体と不釣り合いなほどのスピード感で変革を進めるセブン&アイHDは、ネットとリアルの融合するO2Oビジネスの最先端に立つ。

(ITアナリスト・松浦由美子 撮影:梅谷秀司 今井康一 =東洋経済オンライン)

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