カルビーが康師傅、伊藤忠商事と中国で合弁子会社設立、康師傅の販売網活用へ
カルビーが、台湾・頂新グループの中国食品大手・康師傅控股(カンシーフコングー)有限公司の傘下企業・康師傅方便食品投資有限公司(以下「康師傅投資」)、伊藤忠商事とともに、中国で合弁会社を設立すると発表した。設立は2012年7月を予定し、出資比率はカルビー51%、康師傅方便食品投資45%、伊藤忠商事4%となる。合弁新会社の董事長はカルビーの松本晃・会長兼CEOが務める。
松本会長は、パートナー選びや出資比率の問題などで、今回の提携まで約2年を要したことを明かし、「紆余曲折もあったが、やっと本日に至った。中国は将来、世界最大の市場になると思っているので、心して頑張っていきたい」と意気込みを語った。
国内スナック菓子市場ですでに約50%のシェアを持つカルビーは、さらなる成長に向けて、海外展開を重要な戦略と位置づけている。現在約4%の海外売上高比率を早期に30%まで高めることを目指す。中国と北米を重点地域とし、09年から海外展開への準備を進めていた。今回の合弁会社設立は中国進出の足掛かりとなる。今後、中国国内に別会社を3社設立して拡大する。
康師傅グループと組むのは、同社が中国国内で強力な販売網を確立しているためだ。中国では依然として地域に密着した小規模な菓子販売店が多く、日本企業が独自に販路を開拓するには時間を要する。カルビーは康師傅グループの物流・販売網を利用し、商品の拡販につなげる。
また、中国の消費者のニーズに即した新商品の共同開発も行う。康師傅控股有限公司の魏應州董事長は会見で「カルビーのオリジナル商品の力を借り、中国の消費者の嗜好に合わせていくような、協力的な商品開発が今後は必要になる」と述べた。康師傅グループはアサヒビール、サンヨー食品、亀田製菓などの日本企業と提携しており、すでに日本製品の扱い方についてはノウハウの蓄積がある。
康師傅グループと提携関係にあり、カルビーとの”仲人役”を務めた伊藤忠商事は、「調整役としての機能を発揮する」(青木芳久・代表取締役専務執行役員)。また、ポテトチップスの原料・ジャガイモの調達体制の確立においても力を発揮する考えだ。
中国のスナック市場規模は約1500億円。今後も「毎年15~20%成長するのではないか」(カルビーの松本晃会長)。12年12月の事業開始後、5年以内に中国のスナック菓子市場シェア10%の獲得を目指す。
今13年3月期の業績への影響は軽微と見られる。東洋経済では、5月上旬に予定されている本決算発表を踏まえ、今後の業績を精査する。
(平松 さわみ =東洋経済オンライン)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
連本2011.03 155,529 10,717 10,570 4,253
連本2012.03予 160,000 11,000 10,600 6,000
連本2013.03予 165,000 12,500 12,100 7,100
連中2011.09 75,985 3,893 3,499 1,772
連中2012.09予 79,500 4,800 4,400 2,300
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1株益¥ 1株配¥
連本2011.03 146.5 28
連本2012.03予 185.0 32
連本2013.03予 219.0 32-36
連中2011.09 55.3 0
連中2012.09予 70.9 0
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