台湾のカリスマ・郭台銘の実像

「極端に質素」で「信心深い」

「極端に質素」で「信心深い」台湾のカリスマ・郭台銘の実像

創業経営者の常で、鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長(61)も強い存在感を放つ人物だ。多くの人が初対面で感じるのは驚くほどの質素さ。深セン工場ではポロシャツに半ズボン、無精ひげを生やした姿で来客を迎える。ぎょっとする客に郭董事長は、「稼ぎはすべて生産設備に投資しているので、身なりや部屋に構う余裕はありません」と笑うのだという。

また非常に信心深く、縁起を重んじる。東屋(あずまや)のような執務室に隣接して小さな祠(ほこら)があるほか、腕にチンギス・ハーン廟の数珠を着けて加護を祈っている。50歳の誕生日は東京・赤坂の中華料理店に親しい人を招き祝ったが、その理由は、「40歳の誕生日を東京で祝ったところ、その後会社が大発展した。今後のさらなる発展を祈って縁起を担いだ」。

私生活では二回り下の台湾人ダンサーと2008年に再婚、話題を呼んだ。死別した前妻との子も合わせると2男2女の父だが、すでに成人している長男は後継者と見られていない。本来は58歳での引退を目指していたが、社内に任せられる人材はまだいない様子だ。最近は、09年に生まれた娘を抱いて「この子が成人するまでは引退できないかも」とつぶやいたという。鴻海の最大の経営リスクは後継者問題かもしれない。

(週刊東洋経済2012年4月14日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。写真:フォクスコンCSR資料より

 

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