すでに様々なメディアでも伝えられているように、日本代表の活躍は海外でも高い評価を受けた。面白いことに、ラグビーでの快進撃のおかげで、英国では「ニッポン」というコンテンツへの注目が急速に高まっている。
実際に日本戦の試合会場には、ラグビーファンだけでなく、アニメのコスプレで身を包んだ地元の若者たちが大勢やって来た。サモア戦の会場にいた20代のコスプレ男子は「普段出会えない『リアルな日本人』と会ってみたい、おしゃべりがしたいから来たんだ」と熱っぽく語ってくれた。
欧米からの訪日客誘致は未だ苦戦
ラグビーを通じて広がる「ニッポン」への興味。これをインバウンド客誘致に生かさない手はない。今年の日本への渡航者数は年間2000万人を突破するだろう。ところが渡航者数を出発国・地域別で見ると、中国からが4分の1と最も多く、その他、韓国、台湾、香港などを足すと7割に達する。言い換えれば、欧米からの訪日客誘致では未だ苦戦している。
ラグビーは発祥国・英国だけでなく、親日家の多いフランスやイタリアでも盛んだ。いうまでもなく、豪州やニュージーランドの人々も注目している。ラグビーでの活躍で名を馳せた「ニッポン」が、既存の伝統文化や先進技術をひっ下げて「魅力ある国・日本」と訴える、またとない機会に違いない。
ラグビーW杯2019年日本大会組織委員会はイングランド大会の後半に合わせ、ロンドン中心部にジャパンパビリオンという展示施設を設けた。ラグ ビー関係の展示もあるが、けん玉で遊ぶコーナーや書道体験ができるコーナーなどを設け、外国人への日本文化の理解を深めるための仕掛けがなされている。
筆者は開幕式に参加したが、正直なところ「来場者がどれだけいるのか」と不安になった。ところが開場10日後に訪れた際は、予想以上の賑わいをみせており「望外の喜び」を感じた。
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