JFEスチールは広州で第2メッキ鋼板ラインを稼働し増強計画を完了、自動車向け拡大へ
JFEホールディングス傘下の高炉大手、JFEスチールは4月4日、中国広東省・広州における第2溶融亜鉛メッキ鋼板ラインの稼働を発表。昨年新設の冷延、連続焼鈍と続いた自動車用鋼板の増強計画を完了、伸長する現地需要の捕捉を狙う。
今回発表したのは、JFEスチールが現地鉄鋼メーカーの広州鋼鉄と折半出資する合弁、広州JFE鋼板の第2溶融亜鉛メッキ鋼板ラインの新設。年産40万トンの設備だ。2006年4月に稼働した第1メッキ鋼板ラインと合計で年産80万トンの規模になる。
昨年7月には冷延ライン、同8月には連続焼鈍ラインを稼働させており、総投資額800億円(990百万ドル)の広州JFE鋼板への投資計画が一段落する。冷延ラインの能力は年産180万トン、連続焼鈍は同100万トンとなる。この結果、自動車向けなど高級鋼では、日本からホットコイル(熱延鋼板)を現地に送り、広州工場で冷延から表面処理(メッキ)まで行い、日系中心に現地の自動車工場や家電工場へ供給できる体制が整った。今後は、進捗する冷延と合わせて、自動車各社の認証取得を推進する。
広州のある中国・華南地区での自動車生産は大きく伸びており、09年の250万台から15年には500万台に達する見通し。今年12月には韓国のポスコも同じ広東省に表面処理工場を完成させる計画で、成長市場でのシェア争奪戦が過熱しそうだ。自動車用鋼板以外では、現地製の母材も使うが、広東省には高炉が存在しない。合弁相手の広州鋼鉄の親会社である宝鋼集団は、ここで高炉を新設する計画もある。将来的には、広東の宝鋼集団製母材の活用も期待できそうだが、まずは冷延から表面処理までラインを構え、ポスコなど競合相手に先手を取った格好だ。
(写真=新たに稼働した第2溶融亜鉛メッキ鋼板製造設備)
(山内 哲夫 =東洋経済オンライン)
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