昔も今も変わらない「マルーン」、阪急電車の記憶 懐かしの旧型車や「ダイヤモンドクロス」の迫力

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西宮北口 ダイヤモンドクロス
阪急電鉄の西宮北口駅に1984年まで存在した「ダイヤモンドクロス」。神戸線の電車(左)と今津線の電車(右)が平面交差していた(撮影:南正時)

車両のカラーリングを次々と変える鉄道会社が多い中、伝統の色を守り続けていることで知られるのが阪急電鉄だ。

独特の「マルーン」カラーの車体は沿線住民に親しまれ、ブランドを築いている。車両そのものも、ほかの鉄道会社が流線形や左右非対称の前面デザインなどを採用する中で、スタンダードの形をほとんど変えていない。

だが、最近は屋根周りを白く塗り分けた車両が増え、「マルーン1色」の電車は「フルマルーン」などと呼ばれて珍重されているようだ。今回は、懐かしの車両や風景を中心にマルーンの阪急電車を振り返ってみたい。

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6300系登場時の思い出

屋根周りを白く塗り分けた阪急電車の始まりは、京都線の特急用車両として1975年にデビューした6300系である。銀色の窓枠や奇をてらわないシンプルな車体デザインを守りつつ、両開き扉を車体の両端に配した2ドアの車体、前面ライト周りを銀色のステンレス板で飾った精悍なデザインが印象的だった。

【写真】京都線の特急車としてデビューした当時の6300系、丸みのある車体が特徴だった1010系や1100系、西宮北口駅の迫力ある「ダイヤモンドクロス」、そして能勢電鉄に転じた戦前生まれの旧型車など「マルーン」の阪急電車今昔

当時の特急は十三―大宮間ノンストップで、梅田(現・大阪梅田)―河原町(現・京都河原町)間47.7kmを最速38分で結んだ。6300系は従来の特急車2800系に代わり、ライバルである国鉄の新快速や京阪特急に対抗する看板車両として君臨。「鉄道友の会」の1976年ブルーリボン賞を受賞した。

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