「なんとなく不調」は≪グルテン≫が原因? 小麦由来の“人工的なたんぱく質”が引き起こす現代食の真実

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小麦粉にはグリアジンとグルテニンという2種類のたんぱく質が含まれていて、水を加えてこねると2つのたんぱく質が絡み合い、粘りや弾力性のあるグルテンになります。つまり、グルテンは小麦から人工的につくられたたんぱく質ということ。パンをつくる過程を想像していただくとわかりますが、パン生地をこねたときのあの粘りと弾力性は、まさにグルテンそのものです。

グルテンを含む食材は、パンやピザ、パスタ、うどん、ラーメン、そうめん、そば(十割でないもの)などの麺類、ケーキやクッキー、ドーナツ、マフィン、パンケーキなどの菓子類、お好み焼き、中華まん、ギョウザ、シリアル、カレーのルーなどのほか、フライや天ぷらなどの衣にまで含まれています。私たちが毎日のように口にする食材には、常にグルテンがあるといっても過言ではないほど、身近な存在になっています。

グルテンというたんぱく質は、もともとは地球上に存在しないものでした。それを今、私たちは、知らず知らずのうちに大量に摂取する食生活を送っているということになります。

最近の研究で、このグルテンが体にさまざまな悪さをすることが明らかになってきました。栄養面から体の不調を改善していくオーソモレキュラー栄養療法を実践している私のクリニックでも、グルテンの弊害は見逃せないものとなっています。

ひと口に体の不調といってもたくさんあります。

クリニックではうつ病や不眠症、発達障害、アレルギー症状のほか、不妊や更年期、慢性疲労症候群や低血糖症、生活習慣病からがんに至るまで、実にさまざまな不調や病気で悩む患者さんがいらっしゃいます。1人ひとりの症状や度合いは違いますが、どの患者さんにも、まずは小麦の摂取を控えていただくように指導しています。

小麦にアレルギー反応を示す「グルテンアレルギー」

では、いつも食べている「小麦」の何が悪いのでしょうか。グルテンに反応をしてしまう人が近年急増しています。

グルテンアレルギーのなかでも、明らかな小麦のアレルギーが出ない(グルテンのアレルギーの血清反応が出ない)人たちは、「非セリアック・グルテン過敏症(NCGS)」と呼ばれています(「グルテン不耐症」と呼ばれることもあります)。

グルテンにより、何らかの体の不調が出るアレルギー体質であり、グルテンを摂ることで腸の免疫システムがグルテンを異物と判断してしまい、過剰に反応することで炎症を起こしている状態です。

グルテンを摂取すると腹部の膨満感や消化不良などを起こすことが多くありますが、グルテン過敏症に関しては自覚症状がないケースも非常に多いのです。

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