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〈反撃の奇襲〉フジ・メディアが「村上氏を不意打ち」、買収防衛策に隠された狙いを探った

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そう捉えたフジ・メディア側は、面談から間髪を入れずにFA経由でM&Aに詳しい弁護士に協力を依頼。弁護士らは、それからわずか1週間足らずという短期間で買収防衛策をまとめあげた。

できたての買収防衛策は7月10日の午前7時から開いた臨時取締役会に諮られた。1時間余りで決議し、株式市場が開く直前の午前8時55分に公表した。

まさに“奇襲”ともいうべき買収防衛策の発表となったが、その中身は次のとおりだ。

まず特定株主らによる議決権の比率が20%以上となるような買い付けを対象に、取得者に対して大規模取得の趣旨説明を書簡で求め、フジ・メディアの取締役会は最大60営業日で議論する。その結果、反対の立場で対抗措置を取るべきだと判断した場合には、「株主意思確認総会(臨時株主総会)」を開催して賛否を問う。

具体的な対抗措置としては、大規模取得者以外の株主に新株予約権を無償で割り当てることを想定している。

これは「有事導入型」と呼ばれる。かつては買収者が守るべきルールをあらかじめ設定し公表する「事前警告型」が主流だったが、経営陣の保身目的などが問題視され、最近では廃止される傾向が強まっている。代わって最近増加しているのが、実際に買収者が現れてから導入する有事導入型だ。

ダルトンにも向けられたメッセージ

ポイントは「臨時株主総会を開催し、株主の判断を仰ぐ点だ」とM&Aに詳しい関係者は指摘する。

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