「リスクのある手術か、投薬か」人生の“究極の選択”で重視すべきこととは?《ノーベル賞受賞者》が考案した「決断」の賢い方法

人生の“究極の選択”で重視すべきこととは(写真:阿部モノ/PIXTA)
私たちの日常は、「決めなければいけないこと」で溢れています。しかし、何を参考にして、どうやって決定すれば、「よりよい決断」ができるのでしょうか。ノーベル賞受賞の天才が考案し、UCバークレー、ハーバード大学、シカゴ大学、フンボルト大学をはじめとする欧米の最高峰の大学で学ばれている講義から、「決断」の難しさと、賢い方法について、多角的に見ていきます。
※本稿はソール・パールマッター、ジョン・キャンベル、ロバート・マクーン著/花塚恵訳『THIRD MILLENNIUM THINKING アメリカ最高峰大学の人気講義』から一部抜粋・再構成したものです。
「自分のことを自分で決める」の難しさ
こんな場面を思い浮かべてほしい。あなたは友人とハイキングに出かけている。すると突然、胸が締めつけられるような感覚に襲われて気を失った。意識を取り戻したのは病院だ。
医師は当番医の若い研修医がふたりいるだけで、ふたりはCT検査の画像を見ながら何やら話している。どうやら、あなたの心臓に問題が起きた原因が2つに絞られたようだ。ところが研修医の彼らには、どちらが正解かわからない。
シナリオAなら、身体に負担の大きい心臓手術が必要になる。直ちに開胸しないと、あなたの命は数時間と持たない。手術には非常に高い確率で合併症のリスクが伴い、それによって命を落とすおそれもあるが、いずれにせよ手術をしなければ死は免れない。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事