「リスクのある手術か、投薬か」人生の“究極の選択”で重視すべきこととは?《ノーベル賞受賞者》が考案した「決断」の賢い方法

「自分のことを自分で決める」の難しさ
こんな場面を思い浮かべてほしい。あなたは友人とハイキングに出かけている。すると突然、胸が締めつけられるような感覚に襲われて気を失った。意識を取り戻したのは病院だ。
医師は当番医の若い研修医がふたりいるだけで、ふたりはCT検査の画像を見ながら何やら話している。どうやら、あなたの心臓に問題が起きた原因が2つに絞られたようだ。ところが研修医の彼らには、どちらが正解かわからない。
シナリオAなら、身体に負担の大きい心臓手術が必要になる。直ちに開胸しないと、あなたの命は数時間と持たない。手術には非常に高い確率で合併症のリスクが伴い、それによって命を落とすおそれもあるが、いずれにせよ手術をしなければ死は免れない。