「あなたの価値をAIが奪う!」オフィスワーカーが生き残るために必要な力とは?

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そのうちいずれか1つでも当てはまるようであれば、それは赤信号が点灯している状態です。今すぐこの本を閉じて、ChatGPTを触り、その現在の実態を確かめてから、この先を読み進めていただきたいと思います。

AIを「使う」だけでは生き残れない

そして大切なのは、AIを活用すること、使いこなすことも当然重要なことではあるものの、それは決してゴールではない、ということをきちんと理解しておくことです。現代で「Google 検索ができる」というスキルが何の強みにもならないのと同様、AIをそれなりに使えることは、もはや前提となっていきます。

反逆の仕事論 AI時代を生き抜くための"はみ出す力"の鍛え方
『反逆の仕事論 AI時代を生き抜くための"はみ出す力"の鍛え方』(PHP研究所)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ゲームのルールは、すでにもっと大きく変わっていて、論点は「あなたがAIを使えるかどうか」ではなく、「AIがあなたの世界の前提をどこまで覆すか」というところにあるのです。あなたは、それに対して個人の力でどこまで抗うことができるのか。あなたは自分で自分の未来を切り開いていけるのか。それが強く問われています。

具体的なアクションとして求められるのは、AIを触り、AIの特性を知り尽くしたうえで、さらに「自分がAIに勝てる何か」を手に入れること。そしてそれを押し広げていき、「AIと戦わないためのゲームボード」を自分で用意できる力を持つことです。そうでなくては、今後のビジネスシーンで「できる人」の枠に入ることはできないでしょう。

もちろん、その「何か」は1つしかないわけではありません。しかし、その多くがある程度の才能や特別な経験を必要とするスキルだと思われます。そうした特筆すべき素養を持たない、平凡なオフィスワーカーが、今からでも会得できる「何か」こそ、「はみ出す力」なのです。

必要に応じてAIをフルに活用しつつも、要所で「自分だけのものの見方」に基づく「自分だけのまったく新しい提案・アイデア」を出す力。そして「自分だけの存在感」に基づく「自分だけの実行力」によって、組織を新たな市場・新たな競争に導く力。

そんな「正しくはみ出していく力」を養い、育んでいくことが、これからのビジネスパーソンには強く求められているのです。

樋口 恭介 東京大学大学院客員准教授

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ひぐち きょうすけ / Kyosuke Higuchi

1989年生まれ。岐阜県羽島市出身。早稲田大学文学部を卒業後、外資系コンサルティングファームに勤務。現在はテクノロジー部門のシニアマネージャーを務め、クライアント各社のDX戦略などを手掛ける。並行して、スタートアップ企業 Anon Inc.にて CSFO(Chief Sci-Fi Officer)を務め、情報発信・研修事業などを通じて日本国内におけるSFプロトタイピングの普及を推進。また、2017年には『構造素子』(早川書房)で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し、翌年同作で作家デビュー。その他の著書に『未来は予測するものではなく創造するものである』及び評論集『すべて名もなき未来』、編者として『異常論文』(ハヤカワ文庫JA)。テクノロジー、ビジネス、文芸などジャンルを問わず寄稿・講演等多数。分野の垣根を越えた言論活動を展開している。2023年から東京大学大学院客員准教授。

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