「わたしなんてまだまだ…」エマ・ワトソンも悩んだ《詐欺師症候群》 自己評価の低い人に自信を持たせる「ポジティブフィードバック術」とは

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ここで、研修先で聞いた事例を一部ご紹介しましょう。

・「謙遜は美徳」という言葉があるので、「ありがとうございます」と言って受けとめてしまうと、図々しいと思われるのではないかと不安になる
・言われ慣れていないので、恥ずかしさと照れくささで、どう受けとめていいかわからない
・自分としては、まだまだ認めてもらうには至らないという思いもあるので、「そのまま受けとめていいものか…」と戸惑いがあった

いかがでしょうか?

なかには、ポジティブフィードバックをこのように感じる人もいるのです。

「せっかくよいところを伝えたのに…」と感じている人は、相手に率直に、

「Kさんがしてくれたこと、できている事実を伝えているので、そのまま受けとめてほしいんだ。本当に助かったよ(チームのみんなが感謝しているよ)」

というところまで伝えるのもいいかもしれませんね。

その謙虚さは当人の「認知バイアスの歪み」かも

「インポスター症候群」をご存じですか?

インポスター症候群とは、日々の仕事や業務面で成功して、周囲から良好な評価をされているにもかかわらず、自分自身を過小評価して否定的にとらえてしまう心理傾向のことです。

「これは自分の能力や実力ではなく、運がよかっただけ」「周囲のサポートがあったからにすぎない」と思い込んで、自分を卑下する言動が多くなると言われています。

インポスター症候群に該当する人は、意外と多く存在します。自己評価を歪める認知バイアスのひとつで、いいフィードバックをした際に、無意識に、

「いや、わたしなんてそんな…。たまたまなだけで、ほめられるに値しないので……」

といったトーンでとっさに言い返してしまうのです。

また、昇進オファーがあったときに、

「わたしなんて、まだ無理です」

「わたしなんかより、ほかの人がいいです」

といった発言をすることもあります。

インポスターは、本来「詐欺師」という意味の言葉です。

ほかの人から見ると十分に能力があり、成功を収めているにもかかわらず、

「成功したのは運がよかったからだ」

と自分のことを詐欺師のように感じて自信を持てないところから、インポスター症候群と名付けられたと言われています。

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