推し旅が誕生したきっかけはコロナ禍だった。東海道新幹線はそれまでビジネス・観光利用ともに好調で「ドル箱」だった。しかし、2020年3月のダイヤ改正で新幹線の本数を増やした矢先に、コロナ禍で需要は激減。リモート会議の普及などで、ビジネス客の回復が見通せない状況に陥った。
そこで、需要喚起策としてエンターテインメント業界や観光業界との連携に着手した。コロナ前はこうしたコラボをあまり実施していなかったこともあり、当初は幅広いコンテンツとの提携は容易ではなかった。
伊藤さんは、「情報もコネも持っていない中で、芸能事務所やレコード会社、アニメやゲームのコンテンツホルダーなどを1件1件訪問した。もちろん、商談を断られることもあったし、『本当にJR東海さんなんですか』となりすまし詐欺を疑われることもあった」と、当時の苦労を明かす。
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