30代党首が挑む"ミッション・インポッシブル"、安野新党「チームみらい」の未来を懸けた《1%革命》の行方
そうした目標の実現には新党の国政政党化が大前提となる。その点について安野氏は「国政政党の要件を満たすためには、有効投票数の2%以上を得る必要があるが、(想定される)投票率などを踏まえると、120万票、およそ人口の1%にあたる規模感だ」と指摘。このため同氏は「一連の取り組みを『1%の革命』と名づけた」と解説した。
そのうえで、「戦後日本で30代の党首がゼロから国政政党を設立できた例はない。今回、『1%の革命』が実現することは、永田町の新陳代謝を促し、硬直化しているシステムを進化させるきっかけになる」と、自らの夢を語った。
安野氏の公式プロフィールを見ると、①34歳・東京都出身、②東大工学部卒、ボストン・コンサルティング・グループを経て、2016年にAIチャットボット企業のBEDORE(現PKSHA Communication)を創業、③AIエンジニア・起業家・SF作家、などとなっている。
同氏を東京都のアドバイザーとして活動させてきた小池百合子都知事は、今回の安野新党の参院選挑戦について、5月9日の定例会見で「政党を回していくことには、結構な労力がかかる。AIでのデータ分析のようにいけばいいが、政党で(AI政策を)進めていくのは大変なことだと思う」と自らの経験も踏まえて、新党の前途に疑問を呈した。
報道次第で「参院選の台風の目」にも
安野氏は今後、得意のSNS戦略を駆使して、新党の国政政党化に突き進む考えだ。
政界でも、多くの選挙関係者が「既成政党への拒否感が強く、イデオロギーにもこだらない無党派層が、新たな投票先として安野新党を選ぶ可能性は少なくない」(自民党選対幹部)と身構える。「メディアの報道ぶりも含め、今後の展開次第では参院選での台風の目になる」(政治ジャーナリスト)との見方が広がるからだ。
その一方で、「AIで政治を変えるという安野氏の主張が、これまでの既成政党の選挙活動になじんできた多くの有権者に、どれだけ浸透するかは依然未知数」(有力選挙アナリスト)との指摘もある。「安野氏の絵にかいたような超エリートの経歴が、一般有権者の支持拡大への障害になる」(同)という見方もある。
今後の各メディアなどによる選挙情勢調査で、比例代表投票先での順位がどれだけ既成政党に迫っているかが、安野新党の国政政党化への目安になるのは間違いなさそうだ。
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