――以前、好業績の礎として、歴代の経営トップ、中でも島谷会長に対する感謝の弁を述べられていましたね。
この3年間ですごく成長しているのは、海外とアニメ、それから実写の企画。これらはすべて、島谷が「行くぞ」と声をかけたものだ。私も11年前、「東宝は海外が弱いから、君やってくれ」と(子会社の東宝東和から)引っ張ってもらった。

――“企画”とは、自社が幹事として高い製作出資比率を張る作品をもっと展開しよう、ということでしょうか。
1970年代から1990年代くらいまでの東宝は、自分たちで映画をつくるとしても、年に1本のゴジラ程度、というまでにリスクを取ってこなかった。ただ、すばらしい作品を配給と興行の力で大成功させ、またクリエーターに戻って来てもらうサイクルが、これ以上ないほどよい形になってきた。
そのサイクルに何かを乗せていこうよ、と(2代前の社長である)高井(英幸)さんの時代に、共同出資で映画を作り始めた。そして今、出資比率を高めていく、自社企画も頑張るんだ、というところに行き着いた。
強い配給力を生かし自社作品も
――東宝の競争力の源泉として、多くの業界関係者がTOHOシネマズの存在を挙げます。興行収入を稼ぐことにとどまらない価値があるようですね。
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