スーパーセルCEO「任天堂の参入は大歓迎」 スマホゲーム、ロングヒットの秘密とは?

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――現在、収益の牽引役はクラッシュ・オブ・クランだ。ヘイ・デイや、ブーム・ビーチ、新作タイトルを含め、今後の戦略は?

ここの数年のモバイルゲームのデータを見ても、クラッシュ・オブ・クラン、ブーム・ビーチ、ヘイ・デイは売り上げトップ10に食い込んでいる。まずは既存タイトルをより良く、更に進化させることを進めていく。同時に新しいゲームのアイデア作りや、キャラクター開発の試作も行う。今年も、実は新しいゲームを投入する予定だ。

新作の各タイトルはそれぞれ異なる特徴を持っている。全く新しいアイデアを発想して作っているところもあれば、既存のタイトルを拡張し強化しているものもあるので、どう仕上がるかはチーム次第。試作段階で開発を中止することも頻繁にある。私自身がコントロールするものではないし、お楽しみというところだ。

アイデアは下から上がってくる

――企業トップがゲームの詳細を把握していないのはなぜか。

私も隠しているわけではない。スーパーセルは「ゲームセル」と呼ばれる小規模の開発チームが、それぞれリソースも独立して開発する仕組みで、トップダウンの体制ではない。アイデアは下から上がってくるものなので、すべてを把握しているわけではない。

イルッカ・パーナネン●ヘルシンキ工科大学を卒業後、2000年にゲーム開発会社「Sumea」を起業。2004年に同業の「Digital Chocolate」にSumeaを売却し、同社社長に就任。その後、2010年にSupercellを共同創立し、CEOに就任。(撮影:尾形文繁)

――世界的なスマホゲーム市場の成長性についてどう考えているか。

ゲームの種類や市場によって成長のスピードは異なる。あるマーケットは発展途上でもあるし、別のマーケットは成熟期でもあるので、一概に成長ペースが早い、遅いとは言いにくい。ただ、グローバルで見て、モバイルゲームはまだ成長の初期段階にあると思っており、それ以外のプラットフォームに供給する考えも今はない。モバイル1本で、最良のものを作り続けていくことが会社の信条、思いだ。

――くじ引きによるアイテム課金「ガチャ」を備えるゲームもある。ものすごい収益を生む仕組みだが、スーパーセルはどうとらえているか?

ガチャについては専門ではないので詳しく申し上げることはない。ただ、ゲーム会社にとってマネタイズはゲームの設計上、非常に大事な部分だ。クラッシュ・オブ・クランは、プレイヤー対プレイヤー、クラン(各プレイヤーが協力したチーム)対クランの対戦ゲームなので、収益性を追求することと同時に、あらゆる方々にフェアに楽しんでもらえることを重視している。

――任天堂がスマホゲームに進出する方針。ライバルになるのでは?

われわれは、モバイルプラットフォームが任天堂に認められた、それだけ大事な市場なのだと感じている。私自身、すごく歓迎している。スマホゲームは 誰かが参入して来たら誰かが負けるゼロサムゲームではなく、みんなが盛り上げていける市場だと思っている。任天堂の参戦は大歓迎だ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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