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〈今週のもう1冊〉『ベン・ブラッドリー自伝』書評、米国の新聞ジャーナリズム黄金期にも見える退潮の兆し

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「ベン・ブラッドリー自伝『ワシントン・ポスト』を率いた編集主幹」ベン・ブラッドリー 著
ベン・ブラッドリー自伝 『ワシントン・ポスト』を率いた編集主幹(ベン・ブラッドリー 著/根津朝彦、阿部康人、石田さやか、繁沢敦子、水野剛也 訳/法政大学出版局/4950円/556ページ)
[著者プロフィル]Ben Bradlee/1921年生まれ。2014年没。米ハーバード大学卒業後、第2次大戦に海軍少尉(後に中尉)として従軍。戦後はジャーナリストとして活動し、65年米ワシントン・ポスト編集局長、68〜91年編集主幹。

1968年から91年まで米紙ワシントン・ポストを編集主幹として率い、同紙を一地方紙からニューヨーク・タイムズと並ぶ米国の代表的新聞に変えたジャーナリストの自伝である。ポスト紙の独壇場でニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件報道は、米国のジャーナリズムに黄金期をもたらした。編集幹部から見た、その裏話などが本書のハイライトだ。

ジャーナリズム黄金期から退潮の兆しまで

同事件の報道で米国のみならず、多くの国の若者がジャーナリズムに魅了された。評者もその一人。実はニクソンが辞任したその日(74年8月8日)、就任するフォード新大統領が車でホワイトハウスに入るのを現地で目撃している。当時、大学生であった。

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