有料会員限定

満額回答続きの春闘の裏で…医療機関では「ベアゼロ」回答が相次ぎ、各地でストライキに突入。中小下請けの下層では労務費転嫁が道半ば

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

実際、中小企業の労使双方の現場からは、集計された数字からはうかがえない厳しい実情が伝わってくる。

「中小企業が賃上げをするには適正な価格転嫁が大前提だ。原材料の値上がりを転嫁することへの理解はさすがに進んだが、一方で労務費の転嫁はそう簡単ではない。以前だったら、『それは自助努力でしょう』と一蹴されていた。今でも原材料高騰の事情などとセットで打診するなど、タイミングを計らないとうまくはいかない」。ある都内の部品メーカーの経営者は、労務費の価格転嫁の難しさをこう語る。

価格転嫁はまだ道半ば

「価格転嫁に関してはまだ道半ばで、入り口に立ったに過ぎない。とりわけ労務費の価格転嫁をあきらめる中小企業が多いとも聞いているので、決して楽観視はしていない」。中小製造業の産別組織「JAM」の安河内賢弘会長も厳しい認識を示す。

次ページ期待される下請法改正
関連記事
トピックボードAD