人気再沸騰の温泉街「熱海」、駅開業100年の軌跡 当時の設計図に見る「貴賓室」もあった豪華駅舎

1925年3月25日に開業した熱海駅は、今年で100周年となる。我が国初の鉄道が新橋(汐留)―横浜(桜木町)間で開業したのが1872年10月。それからおよそ半世紀後の開業だった。
著名な温泉地の玄関口である熱海駅。本稿では開業当時の駅舎について、当時の設計図を基にその姿を見ていくとともに、苦難の連続だった熱海線(現・東海道線の国府津―熱海―沼津間)建設の経緯や、駅の開業が温泉街にもたらした変化などについて取り上げたい。
開業時の熱海駅舎はどんな姿?
開業時に建てられた駅舎は、2016年11月に竣工した現在の新駅舎にバトンタッチするまでおよそ90年の歴史を刻み、使用され続けた。三角屋根のレトロな風情の駅舎を記憶している人は多いだろう。
とはいえ、90年の歳月の間には1951年に駅舎に隣接して駅ビルが建てられたほか、1935年に伊東線、1964年に東海道新幹線が開業するなど熱海駅は時代とともに変貌しており、当然のことながら開業時のままの姿というわけではなかった。
開業時の熱海駅の構造は、当時の設計図(熱海鉄道同好会・顧問の太田修さんが複写を所蔵)を見るとよくわかる。
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