「日韓関係、再び後退へ?」韓国政局混迷で“反日”が再燃も、トランプ政策が日韓を結びつける磁力にも

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今のところ、韓国の政府関係者は石破茂のワシントン訪問を、韓国が見習うべきモデルだと指摘している。

前回の大統領選挙で、共に民主党の李党首の外交政策最高顧問を務めた魏聖洛(ウィ・ソンラク)氏は、石破氏の会談のように、少なくともバイデン政権との過去の声明に沿って同盟関係を再確認するような、非対立的な会談が最善の望みだと考えている。

「共同声明には予防効果がある。両首脳の間に個人的な信頼関係を築くのは容易ではないが、私たちはそれを試みるつもりだ」

韓国人の中には、石破氏が歴史問題に積極的に取り組み、中国や他のアジア諸国との関係改善を支持していることから、特に良いパートナーになりうると見ている者もいる。

「石破氏は日中韓の三国関係に強い関心を持っている。彼は中国に接近することを望んでいる。石破氏にはもっと長く生き延びてほしい」

ソウルの一部では、アメリカ主導のトランプに対抗するためとは言わないまでも、バランスをとるために日本との戦略的関係を築くという話さえある。

反トランプ同盟を結成か

ソウルで、東京を視野に入れながら静かに議論されているアイデアのひとつは、トランプの関税と貿易戦争に対抗するためにCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)の拡大を利用することだ。韓国の加盟申請が加速し、EUとリンクする可能性さえある。

しかし、反トランプ同盟を語るのは時期尚早ではないか、との声もある。「ソウルと東京の政策立案者が(トランプ大統領に対抗して)協力するインセンティブを持っているとは思えません」と魏氏は言う。

「フランスやドイツは、アジア諸国とこのような考えを打ち出そうとするかもしれません。しかし、それに対するアジアの反応は慎重なものになるでしょう」

しかし、そうした慎重姿勢は、戦後の国際システムを攻撃し続けるトランプによって吹き飛ばされるかもしれない。

ダニエル・スナイダー スタンフォード大学講師

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Daniel Sneider

クリスチャン・サイエンス・ モニター紙の東京支局長・モスクワ支局長、サンノゼ・マーキュリー・ニュース紙の編集者・コラムニストなど、ジャーナリストとして長年の経験を積み、現職に至る。

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