「日韓関係、再び後退へ?」韓国政局混迷で“反日”が再燃も、トランプ政策が日韓を結びつける磁力にも

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元駐日韓国大使はソウルで私に、「李氏の過去の記録、つまり日韓関係に関する彼の見解や主張を考えれば、関係後退は十分に予測できる」と語った。

別の会話では、外交経験が長い保守派の元高官が、李氏が大統領になれば、日本に対して「非常に敵対的」になるだろうと予想した。「李在明は基本的に日本に対して否定的だ。中国に対してはより率直で、アメリカに対してはより批判的だ」。

しかし、李氏の側近たちは、イデオロギーよりもむしろ現実的な彼の性格を指摘し、アメリカの安全保障同盟を支持することを示唆している。

文在寅(ムン・ジェイン)前政権で日韓関係の形成に深く関わった元外務省高官の趙顕(チョ・ヒョン)は、ソウルで朝食をとりながら筆者にこう語った。

朴槿恵(パク・クネ)と故安倍晋三首相の間で2015年に合意された慰安婦合意に反対していたことを認めつつ、「日韓間で合意されたことを変えるつもりはない」と趙氏は語った。

「私たちの関係には2つの両端があります。一方の端では、我々は敵国であり、脅威感を共有し、ともにアメリカの同盟国である。しかし、もう一方の端では、日本は非常に多くの恐ろしいことを行い、それを否定している。日本は若者の教育を怠っている。我々の側には、傷ついたナショナリズムがある。外交はこの2つの両端の間で機能しなければなりません」

トランプの登場で変化する日韓関係

韓国の日本に対する考え方は、トランプ大統領によって変化している。大統領執務室でのトランプとゼレンスキーの怒りに満ちたやりとりは、ソウルにも衝撃を与えた。

韓国において、独立した核戦力を開発する必要性に関する議論は、長い間提唱されてきた右派から進歩的な陣営へと広がった。韓国人の間の新しい合言葉は「核潜伏」であり、アメリカに長い間反対されてきた完全な核燃料サイクルの構築において日本に追随することである。核分裂性物質の備蓄があれば、韓国は核兵器への移行を急速に進めることができる。

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