インスタのエンゲージはFacebookの10倍? ファッション・コスメ企業に愛される理由
Facebookはブランド企業に信頼されており、ソーシャルメディア内での広告シェアは圧倒的だ。フォレスター社の調査によると、マーケターの82%が広告掲載を行ったと回答している。しかし、インスタグラムを好むブランドも増えている。向こう12カ月の間で、インスタグラムに資金を投じる予定があると答えたブランドは約46%。他のプラットフォームよりも高い。
4.エンゲージメント率はFacebookの約10倍?
ブランドがFacebookよりインスタグラムを好む理由は他にもある。Facebookで存在を強めても、リーチは比例しないからだ。L2によると、Facebookページに50万人以上のフォロワーがいるブランドでは、実際のところリーチは低いという。一方、インスタグラムには、そうした問題はない。ブランドのフォロー数と、そのエンゲージの間に負の相関性は見当たらないのだ。
L2のリサーチによるグラフ(上図)では、ファッション・コスメ分野におけるインスタグラム・Facebook・Tiwtterのエンゲージメント率を示している。ともにインスタグラムのエンゲージメント率はFacebookのそれに比べて、約10倍の結果となった。
ハイエンドなファッション系ブランドは、インスタグラムで結果を出している。たとえば、クリスチャン・ルブタンは2014年1月に、#louboutinworldというハッシュタグ投稿を掲載するギャラリーを自社サイト内に設置した。そのおかげで、フォロワー数は80%増となったという。ちなみにFacebookでの「いいね!」は、8%しか伸びていない。こうしたハッシュタグを利用したコンテンツの40%は、コスメ系ブランドに利用されている。コスメ製品のラインには季節性があり、ユーザーの反応を利用してブランディングするには、ハッシュタグが便利なのだろう。
5.プレミアム感が醸成された唯一のプラットフォーム
インスタグラムの月額広告料金は、10万ドル(約1,200万円)から50万ドル(約6,000万円)ともいわれている。そうした、高額な料金設定も効果を発揮しているようだ。「多くのブランドは高くて手が出せない。だからこそ、インスタグラムに出稿できるブランドは、ラグジュアリー感とあこがれを醸し出すことができるのだ」と、L2のリサーチ・アナリストのギャレット・レビー氏。
直接、コマースに結びついてはいないことが、インスタグラムの最大の課題だった。しかし、深刻なものではない。さる3月には、カルーセルスタイルのクリッカブル広告が導入されたが、ブランド企業は「今すぐ購入」ボタンのような直接的な販売機能を望んでいる。いずれそれも導入されると思うが、いましばらくはブランドにとってエンゲージメントやインスピレーションを提供できる場であってほしいと思う。その方が理にかなっているはずだ。
化粧品・コスメ通販のElizabeth Ardenのグローバル・マーケティング担当責任者ディーナ・シングルトン氏は、社として注力するプラットフォームをPinterestからインスタグラムに変えたところ、効果が出たと話す。エンゲージメントが活発化し、費用対効果も高くなったという。
オリジナルの写真を撮るには、多くのリソースが必要だ。だから、同社ではユーザー投稿の写真を頼みとしている。シングルトン氏もインスタグラムに「今すぐ購入」ボタンが追加されることを望むマーケターのひとりだ。その一方で、カルーセルスタイルのクリッカブル広告と、Facebookと統合された写真の見た目に満足しているという。
なお、Elizabeth Ardenは、いまのところインスタグラムから商品購入を可能とする「Like2Buy」のようなサード・パーティを利用している。Benefit Cosmeticsも同様だ。いまのところは、「手作業の部分が多いが、うまくいってる」と関係者は語る。
Shareen Pathak (原文 / 訳:南如水)
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