斉藤・公明代表「連立離脱」発言が波紋広げる事情 石破・斉藤盟友関係の"真価"が問われる
併せて「通称使用の拡大で対応すべきだ」という自民保守派の主張についても「通称使用拡大なら公明はオッケーと言わない。自公でまとめるのが第一原則だが、仮に自民と案がまとまらないという事態になれば、実現するためにいろいろなことを考える段階に入るだろう」と野党案への賛成の可能性も示唆。
その上で、「実現しなければ、連立離脱もあり得るか」との問いに「何があっても自公連立は崩しません」ということはない。我が党が譲れないもので意見が対立し、合意が得られなかった場合に連立離脱というのはあり得る。そういう緊張感をもって自民もやってくれていると思うし、我々も緊張感をもってやっている」と連立離脱の可能性にまで踏み込んだ。ただ、選択的夫婦別姓が「譲れないもの」に入るのかについては「これからの議論次第だ。この場で『入る』と言っても『入らない』と言っても、問題だから」と言及を避けた。
さらに、石破政権の存否にもかかわる「衆参同日選」については「解散は首相が考えることだが、衆院選から数カ月しか経っておらず、まだ次の選挙のタイミングについて考えることはない。衆院選と参院選は選挙制度が違う。いろんな民意はわけて聞いた方がいい。その大原則から、衆参同日選には反対する」と強い反対姿勢を明確にした。
「同日選」「大連立」…問われる石破・斉藤盟友関係の“真価”
こうした斉藤氏の一連の発言は「まさに、自公関係の危うさを際立たせるためあえて語ったもの」(政治ジャーナリスト)と受け止められている。そこで今後の想定される政治日程をみると、公明が極めて重視し、党の存亡も左右しかねない都議選(6月22日投開票)が12年に1度の参院選との「同時実施」となることが斎藤氏の危機感につながっていることが分かる。
これについて自民幹部は「石破首相に、都議選について参院選と切り離す日程を強く求めたのは斉藤氏」と明かした上で、「その席で石破首相が年末年始に言及した『同日選』や『大連立』を巡る強い不満を突き付けたはず」と解説する。
公明党内ではかねて「公明は自民の暴走を止める錨の役目を果たしてきたが、長期にわたった安倍・菅政権下では自民独裁への怒りも抑えきれなくなっていた」との声が少なくなかった。しかも、「目前に迫る夏の政治決戦は、公明党・創価学会にとって『結党以来最大の難局』とされるだけに、参院選までの“中継ぎ”を託された斉藤氏は『強い覚悟』で臨むしかない」(政治ジャーナリスト)のは否定しようがない。
このため、石破首相がこの斉藤氏の「覚悟」にどう対応するかが、今後の政局展開を占う最大の焦点となる。とりわけ「二人とも『鉄っちゃん』と呼ばれる鉄道好きで、同じ中国地方出身の政治家としても長年の親交がある」(同)だけに、「自公の2人のリーダーの盟友関係の“真価”が厳しく問われる局面が続く」(自民長老)ことだけは間違いなさそうだ。
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