そこで、自動チェックイン機のそばでゲストの反応を見ながら、迷っていたらすぐに声をかけてサポートする姿勢に変更。挨拶もそれまで以上に行うよう呼びかけたという。
そういえば筆者も宿泊した際、朝食会場に入った瞬間に、「おはようございます。そこのお盆をとってくださいね」と温かい声がけがあった。
「心と身体をリフレッシュしてもらう方法を、1つひとつ手を抜かず誠実に突き詰めて考えることが、備品のクオリティや部屋の広さにつながっています。その精神が、接客にも生きているのだと思います」と山本さんは微笑む。
好調の今こそ未来に備えて
2024年、同ホテルは、人気アニメ『僕のヒーローアカデミア』とのコラボルームを実施。20代、30代に大きな反響を得た。
目的は、Z世代の獲得だ。
現在のメイン顧客層は30~50代でいずれ先細る。そのためZ世代のファン獲得を1つのキーワードに、認知を拡大する仕組みづくりをはじめたのだ。関東圏以外のブランド認知もまだ弱いため、SNSやコミュニティを通じて広げる起爆剤も考案中だという。
「業績が好調な今だからこそ、中長期的に将来を見据え、どう準備していくかを考えなければならないと常日頃から話しています」と山本さん。調子が悪くなってからでは遅い、と兜の緒を締める。
2025年は「誠実」を基本に、「静鉄ホテルプレジオ」というブランドの位置づけを改めて明確にし、従業員に浸透する教育も強化したい考えだ。他方、新たな出店の意思もあり、情報収集を進めている。
現在、同ブランドへのリピーターは約2割で、会員数は約4万人。取材を通じて知った「過不足のない」設備やサービス、なによりオーダーメイドの誠実なホテルづくりを考えると、まだまだファンは増えるに違いない。
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