悪いのは私じゃない症候群 香山リカ著

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そして第7章では「悪いのは私だ」の歴史について語られる。

太平洋戦争の責任論が取り上げられ、1995年の村山談話が説明されている。アジア諸国に対する日本の「植民地支配と侵略」を「疑うべきもない歴史の事実」と認めた談話だ。また小泉首相、福田首相、麻生首相の歴史認識についても説明し、航空幕僚長だった田母神俊雄氏の論文について触れている。

著者は、田母神氏的な「負けを認めない姿勢、防御よりもまず相手を攻撃する態度」が若い人に熱烈に支持された、と書いている。つまり「他罰」的であることが現代社会では評価されていると言うわけだが、そこまで断言できるのかどうか。少し疑問に感じる。

第8章はネットという他罰メディア、第9章は他罰は自己責任論の裏返し、というタイトルだ。「ゆがんだ平等主義といびつな正義感」などの指摘はおもしろい。

だが第7章以降、事例として取り上げられているのは政治の話題。小泉劇場以降の記憶は鮮明だが、社会にはびこる他罰の風潮と本当に関係があるのかどうかを判断できない。貴重な指摘なのかもしれないし、的をはずしているのかもしれない。読者が自分で判断してもらいたい。

(HRプロ嘱託研究員:佃光博=東洋経済HRオンライン)

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