「パリピ飲み」が"普通の若者"の間でブーム化の訳 酒離れの一方でショット文化が再燃、一体なぜ

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コロナ禍以降、飲み会はより「特別なもの」になっている。以前まではなんの気なしに飲みに行っていた人も、緊急事態宣言に伴う時短営業や休業により、飲み会から足が遠のいた。

飲みに行かない生活に慣れてしまった人たちは、以前のように気軽に飲みに行くことが減り「本当に行きたい飲み会」だけを厳選するようになった。せっかく行くなら、特別な会にしたい。家庭では味わえない料理や酒を楽しみ、同席する友人と有意義な時間を過ごしたい。

その結果広まったのが「ショットで乾杯」の文化だろう。

仲間と集まり、ショットをあおる。そこで生まれる一体感や高揚感は外食ならではの体験だ。「LOBBY」のInstagramでも、ショットの乾杯をすることでよいバイブスが流れ、友達との仲が深まると説明されていた。

夜のお店の非日常なパーティ感が普通の居酒屋にも侵食

最近では「テキーラ観覧車」なるパーティアイテムも登場。観覧車を模したもので、酒を注いだショットグラスを乗せてクルクル回せる。

これが若い人向けの居酒屋などで用意されているのを見かけるようになった。どうやら、もともとキャバクラやホストクラブから広まったアイテムらしい。

ショットと同時にシャンパンボトルを置く居酒屋、特に個人経営の店で増えている。決して頻繁にオーダーされるものではないが、主に店主の知り合いなどがオープン記念のご祝儀代わりに開けたいときのために置かれていることが多い。

また、スタッフの誕生日や店の周年など記念日に常連がボトルを入れて皆で乾杯することもある。この「シャンパンを入れる」も、もともと夜のお店の文化に近い。こうした夜の世界の非日常なパーティ感が、普通の居酒屋にも侵食しているのを感じている。

ショットのような、一見すると前時代的な体験も今の時代は逆に貴重なものとして若者にはとらえられている。ただし、飲めない人への配慮や、各人の好みやペースに合わせられるなど現代的にバージョンアップされているのがキモだ。

大関 まなみ フードスタジアム編集長/飲食トレンドを発信する人

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おおぜき まなみ / Manami Ozeki

1988年栃木県生まれ。東北大学卒業後、教育系出版社や飲食業界系出版社を経て、2019年3月より飲食業界のトレンドを発信するWEBメディア「フードスタジアム」の編集長に就任。年間約300の飲食店を視察、100人の飲食店オーナーを取材する。
Instagram:@manami_ohzeki

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