崖っぷちのエルピーダ 苦肉の救済シナリオ

そんな中で浮かび上がるシナリオが、再編による救済だ。

そもそも、DRAM業界で足元黒字を確保しているのは首位の韓国サムスン電子だけ。市場は壊滅的で「エルピーダもDRAM一本では生きていけない」(アイサプライ・ジャパンの南川明副社長)。救済を正当化するには、事業構造を組み替えるような劇的なシナリオが必要だ。

提携相手として、東芝やDRAM世界4位の米マイクロン・テクノロジーの名前が取りざたされている。

なぜか。カギとなるのが、NAND型フラッシュメモリだ。東芝は同製品で世界2位、マイクロンは4位。スマートフォン向けなどに需要が拡大中で、底堅い利益を稼ぐ。サムスンなどもNANDを手掛け、DRAM不況のダメージを和らげている。エルピーダがNAND企業と組めば、安定度が増し、工場設備をNANDに転用して稼働率を上げることもできる。

とはいえ、実現は簡単ではない。東芝の佐々木則夫社長は支援の相談があった事実は認めながらも「環境が整わなければ、ありえない」と言う。

資金繰りのプレッシャーが日に日に強まるエルピーダ。まさに、存続の瀬戸際だ。

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(長谷川高宏 =週刊東洋経済2012年1月28日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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