簡単に使う言葉じゃないかもしれませんけど、この作品と出合って“使命”を意識するようになりました。人間いつ死ぬかわからない。だからこそ生きた証しを残す。生きてきた意味を作る。自分にとってはこの作品を世に出して定着させることが使命なんだ。それがストンと胃の腑に落ちたんです。
いつか死ぬことはわかっているし、時間に限りはある。ただ、すぐに死ぬとも思っていない。そんな感覚で暮らしていたところ、48歳でがんになりました。
特段、人生観が変わるということはなかったんですけど、病と闘って勝ったという気持ちと後遺症が残りました。
後遺症はしゃべり芸にマイナスでしかない
まずは味覚障害。そして唾液が出づらい。この2つが今もあります。お医者さんいわく、だんだん戻っていくパターンもあるけど、どうなるかはわからないと。
ただ、治療から4年が経っているんですけど、今でも治ってはいません。正直、すごくしんどいんです。芸人というしゃべる職業をしていると、ま、僕は顔芸だったり、動きが中心ではあるんですけど(笑)、それでもしゃべることも多い。その中で唾液が出にくいというのはマイナスでしかないんです。
日常会話レベルの声量でしゃべっていても、すぐに口の中がカラカラになってしまう。さらに喉の奥がカサカサしてきて、声帯が動きづらくなってきて声が出しづらい。よく喉が詰まるし、言葉もかんでしまう。
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