老舗バレエ団が動画配信、華やかさの裏の"現実" ロシア帰りのバレリーナが厳しい国内事情を告白
ロシア帰りのバレリーナに密着
「だいぶ焦げちゃいました」
オーブンレンジから、手作りのスコーンを取り出しながら、ロシアの元プロバレエ団員の大塚アリスさんは少し恥ずかしそうに言った。
取材初日に、バレエの専門用語連発の練習を目の当たりにしたバレエ初心者の僕は、バレエの入り口のハードルの高さを痛感した。そこで、「バレエ」そのものではなく、まずは「人への興味」を入り口に動画を作ろうと考えた。
人は「人」に興味がある。バレエ自体には興味がない人でも、同じ人間として共感できれば、バレエの動画に興味を持ってもらえる。そう考えたのだ。
「バレエ以外の趣味はありますか」と事前に聞いたところ「お菓子作りが趣味です」と返って来たので、その様子を撮らせてもらうことにした。
ロシアのプロバレエ団からコロナがきっかけで帰国。地元の関西で、オファーがあれば色々なバレエ団の舞台にその都度ギャラをもらって出演するというフリーランスのバレリーナとして1年間活動。
その後、谷桃子バレエ団に入団を決めたアリスさん。フリーだと普段の練習場所がなく、どこかに拠点をしっかり持ちたいとずっと思っていた。それが入団を決めた理由の一つだそう。
そんな経緯で実家がある神戸から単身上京し、1カ月前から都内のワンルームで一人暮らしをしている。
部屋の中は、白を基調としたテーブル、棚、ベッド。ピンク色のカーテンやカーペットなど、「バレリーナらしい」という表現が正しいのかはわからないが、どこか優雅さを感じるインテリアで統一されている。
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